気管支喘息は何科を受診すれば良いのか?

なかなか治まらず長く続き咳や、息苦しくなったりするのは気管支喘息の特徴でもあります。
子どもであれば小児科をまず受診すると思いますが、大人の場合は何科を受診すれば良いのか悩むかもしれません。

気管支喘息かも?と思った時に何科を受診すれば良いのか、また気管支喘息による症状の説明などをご紹介したいと思います。

気管支喘息は何科を受診すれば良いのか?

気管支喘息の症状について

息苦しい、胸が詰まっている感じ、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と音がする(喘鳴<ぜんめい>といいます)咳が止まらない、痰が詰まっているあるいはたくさん出る。このような様々な症状があります。咳が主症状の咳喘息も増加しています。

喘息の発作は、夜間や早朝におこりやすいのが⼤きな特徴です。その他にも次のような時におこりやすい傾向があります。

喘息症状がおこりやすいとき

  • 夜間〜早朝にかけて
  • 季節の変わりなど、気温差がはげしいとき
  • 天気がよくないとき、変わりやすいとき
  • 疲れているとき
  • 邪をひいたとき
  • 発作を引き起こす刺激に触れたとき
    (タバコの煙、線
    の煙、強い臭いなど)

気管支喘息と気管支炎の違いは?

喘息は呼吸時に空気が通る気管支が長く炎症を起こし、炎症が強いときに気管支が狭くなる病気です。

気管支炎とは、空気の通り道である気管支が、原因物質に感染することで粘膜に炎症が発生し、咳や痰が出るようになる病気のことです。

気管支炎には、慢性気管支炎と急性気管支炎の2種類があり、それぞれ発症原因が違います。

慢性気管支炎は男性の高齢者に多く、数か月間にわたって咳や痰が続き、粘り気のある痰が出るのが典型的な症状です。

原因としては加齢のほか、喫煙や空気中の有害物質などが考えられています。治療法としては、主に抗生物質の長期投与が行われています。

強い炎症が続く場合は、熱が出て肺炎になる恐れがあるので、体力が衰えている高齢者の場合は特に注意が必要です。

もし慢性気管支炎と診断されたら、禁煙はもちろん、適度な運動や風邪予防に取り組むなど、生活習慣を見直すことも必要です。

急性気管支炎は気道病原性ウイルスによる場合が一番多いですが、細菌感染(インフルエンザ菌、肺炎球菌、百日咳、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジアなど)もあり得ます。

黄色や緑色の痰がみられたり、咳や発熱、だるさなどが激しかったりする場合は細菌感染も疑い、必ず病院受診をするようにしてください。

気管支喘息がひどくなるとどうなる?

気管支喘息(喘息)は空気の通り道(気道)に炎が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。気管支が狭くなりますから、肺の中に入ってくる酸素量も少なくなり、当然苦しくなります。

また、狭くなった気管支を空気が通るたびに、ゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえます

これは、狭い気管支に空気を通すため、通常は使わない筋肉を総動員して呼吸をしているためで、大変苦しい状態です。

“気管支が敏感”ということを、“気道過敏性が亢進(こうしん:高い度合いまで進むこと)”しているといいます。

気道の過敏性は、喘息発作を起こす毎にどんどん悪くなります。

そして、過敏性が強まると、ますます発作を起こし易くなります。その結果、喘息は治りにくくなります。

逆に、発作が起きないと過敏性は弱まり、気管支が丈夫になり、発作を起こしにくくなります。その結果、軽症化し、治癒へと向かうのです。

つまり、発作を起こすことが、気道過敏性を亢進する最大の原因なのです。

ですから、治療の目標は、気管の過敏性を和らげること、できるだけ発作を起こさないようにすること(予防すること)にあります。

喘息の治療は発作を起こしてから行うのではありません。発作を起こさないように普段から予防治療を行うことが喘息の治療です。

気管を刺激する要因をできるだけ少なくすること気管を刺激する要因はたくさんあります。

例えば、運動、冷たい空気、タバコの煙、天候の変化等々、この中には避けることのできるものがいくらでもあります。

生活環境を整備し、早寝早起きを基調とした規則正しい生活リズムを守ること。こういう基本的なことが大切です。

よくあることですが、親戚の家や実家に泊まりにって、発作を起こすことがあります。

こういう時は、長くしまっておいた布団がほこりっぽくなっていることが多いようです。泊まる前に布団に掃除機をかけてもらったり、乾燥機をかけてもらったりすればよいでしょう。

また、室内犬や、猫も要注意です。 気管支喘息のお薬はいろいろありますが、予防に用いられるものと、直接発作を抑えるものとの2つに分類されます。

予防のお薬は、アレルギー反応をおこしにくくしたり、慢性炎症を治したりするものなどがあります。
これらは、予防薬ですから発作のない時でも、きちんと内服(吸入)を続けることが大事です。

直接発作を抑えるお薬は、主に気管支を広げるお薬で、予防にも用いられることもありますが、発作の強弱によって使い分ける必要があります。薬は、良くなってくれば少しずつ減量し終了します。

大事なことは、少し調子がよいからといって、いきなり止めないこと。再発の反復は治り難くなります。

医師の説明を良く聞き、薬の内容を理解して治療を続けましょう。

では何科を受診すれば良い?

呼吸器内科・アレルギー科を標榜している病院・クリニックを受診してください。

どんな検査をしてもらえるの?

喘息を診断したり、状態をチェックするために検査を行います。検査はいくつか種類があり、症状や年齢、目的にあわせて、ひとつまたは複数の検査を行います。

肺機能検査(スパイロメトリー)

肺機能検査
肺機能検査

肺機能検査(スパイロメトリー)は、スパイロメーターという機械を使い呼吸機能を調べる喘息の基本的な検査です。

まず息を思いきり吸い込み、次に力いっぱい吐きます。この時、息を思いっきり吸ったときの肺活量(努力性肺活量)、吐き始めてから吐き終わるまでの時間、吐くスピードを、機械が測定します。

最初の1秒間で吐き出した空気の量を1秒量(FEV1)といい、この値が喘息の重症度の基準となります。喘息の方の場合、肺活量や1秒量は正常値より低くなる場合があります。

力いっぱい息を吐き出したときの息の強さ(速さ)の最大値のことを「ピークフロー(最大呼気流量)」といい、この値が喘息管理に役立ちます。喘息の方の場合、症状がある時は、気道がせまくなり、痰がからんでいて息を吐くスピードが遅くなるため、ピークフローの値は小さくなります。

ピークフローは、ピークフローメーターという機械を用いて自宅で簡単に測定できます。

喘息は自己管理が大事な疾患です。自分の呼吸機能を知るためにピークフローをチェックしましょう。

アレルギー検査

どのアレルゲン(アレルギーを起こすもの)に対してアレルギー反応が起こりやすいかを確認するテストです。

RAST法とMAST法があり、どちらの検査も採血した血液とアレルゲンを反応させて、アレルゲンに対する抗体(特異的IgE抗体)が検出されるかどうかをみます。

RAST法という血液検査では、6段階でアレルギー反応の強さを見ます。

MAST法では、一回に39種類ものアレルギーについての検査ができます。

レントゲン検査

胸部レントゲンを施行することで喘息と同じような症状を持つ他の呼吸器疾患との判別や、肺炎などの合併症を知るために行う検査です。

AIレントゲン
AIレントゲン画像

※当クリニックでは「AIレントゲン」を導入しています。AIレントゲンとは通常のレントゲン撮影に加え、AIが肺の炎症や異常な陰影がないかどうかなどの判断をし、画像で色を付けて見やすく表示するものになります。

呼気NO検査

呼気NO検査(喘息)
呼気NO検査(喘息)

呼気中一酸化窒素(NO)濃度の測定などによる好酸球性気道炎症の確認も重要な検査です。

当クリニックの院長は内科医としてだけはなく、日本呼吸器学会専門医、日本呼吸器内視鏡学会専門医として、アレルギーの患者様を多く診察してまいりました。

長びく咳や喘息の治療などでお困りの患者様は、是非ご相談下さい。

みやけ内科クリニック
院長:三宅 光富

院長 三宅光富

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