AIレントゲン
AIレントゲンとは通常のレントゲン撮影に加え、AIが肺の炎症や異常な陰影がないかどうかなどの判断をし、画像で色を付けて見やすく表示するものになります。
我々医師の所見に加え、AIがダブルチェックする事により見逃しを防ぐ目的もあります。
また、患者様自身も見慣れないレントゲンの画像を「青→みどり→黄色→オレンジ→赤」のように異常のある個所を色を付けて表示することで分かりやすくなると思います。(赤に近い程異常所見が強いことになります)
当クリニックではAIレントゲンの導入により、医師の診断とAI診断を上手く組み合わせ、より多くの患者様に精度の高いレントゲン検査を行えるようになりました。
レントゲン検査で異常があれば、より詳しい検査が必要な場合もございます。
その際は当クリニックに在籍している、MSW(メディカルソーシャルワーカー)が必要に応じて、CTやMRIなどの検査が行える病院の紹介も行っています。
AIレントゲンの診断説明動画
専門治療
当院は大学病院と連携し、定期的な勉強会や座長や講演者、コメンテーターとして研究会への参加も積極的に行っております。院長の専門分野である呼吸器疾患、特に気管支喘息に関しては、重症難治性喘息に対する生物学的製剤を用いた治療も積極的に取り組んでいます。
喘息治療の進歩により、生物学的製剤が使えるようになりました
喘息の治療では、吸入ステロイド薬が基本の薬となっています。さらに必要に応じて、気管支を広げる薬を併用することもあります。しかしこれらの薬を最大限使っても効果が不十分な場合もあります。喘息治療の進歩により、こうした場合には生物学的製剤とよばれる薬が使えるようになりました。これまでの治療が十分に効かなかった喘息に対して効果が期待できる薬です。
生物学的製剤は、バイオテクノロジーを駆使して作られた医薬品です
喘息で使われる生物学的製剤の成分は、「抗体」とよばれるタンパク質の一種でできています。「抗体」は非常にデリケートなため、これまでの吸入薬や飲み薬のように、人工的に作ることができません。しかし、バイオテクノロジーの進歩によって、生きている細胞に「抗体」をたくさん作らせる技術が確立されました。そのおかげで、現在ではさまざまな生物学的製剤が医薬品として使えるようになっています。
生物学的製剤は、気道炎症にかかわる物質の働きを止めることで効果を発揮します
喘息の気道炎症には、主に2型炎症が関わっていますが、近年、ILC2が活発に働いている2型炎症では、吸入ステロイド薬が効きにくいことが分かってきました。2型炎症とは、2種類の細胞から放出される体内物質「インターロイキン(IL)」や、インターロイキン(IL) によって活性化された細胞から放出される「IgE」とよばれる体内物質が、気道炎症の最前線で働いて起こる炎症です。
外部からの刺激によって、2種類の細胞(Th2細胞およびILC2)が活性化すると、インターロイキン(IL)を放出します。インターロイキン(IL)は、気道に直接的に作用したり、炎症にかかわる細胞を活性化することで、気道炎症を引き起こします。その結果、気道はせまく、過敏になります。こうして症状(発作)が引き起こされます。
しかし活発に働いているILC2からインターロイキン(IL)やIgEの放出が続いている場合でも、その働きを止めることができれば、気道炎症の改善が期待できます。
喘息治療では、インターロイキン-4(IL-4)とIL-13の受容体、IL-5、IL-5の受容体、IgEの働きを抑える生物学的製剤が使われます。それぞれ抗IL-4/13 抗体、抗IL-5 抗体、抗IL-5受容体抗体、抗IgE 抗体という名前でよばれています。
喘息治療で使うことが出来る生物学的製剤(抗〇〇抗体)
名前 | 作用 |
---|---|
抗IL-4/13受容体抗体 | IL-4とIL-13の受容体の働きを止める |
抗IL-5抗体 | IL-5の働きを止める |
抗IL-5受容体抗体 | IL-5の受容体の働きを止める |
抗IgE抗体 | IgEの働きを止める |
あなたの喘息は、コントロール できていますか?
喘息コントロール状態は、コントロール良好、不十分、不良の3段階に分類されます。週に1回以上発作があり、発作治療薬を使っている場合は、コントロールが不十分、または不良と考えられます。
このような場合、生物学的製剤を含む他の治療を検討した方が良いかもしれません。コントロール不十分または不良かもしれないと感じた場合は、院長に相談してください。
各種検査
充実した検査が出来るように各種検査機器などを取り揃えております。
※画像をクリックでそれぞれの検査の詳細がご覧いただけます。
呼気NO検査
呼気中のNO(一酸化窒素)の濃度を測定する検査です。喘息患者さんの気道には炎症があり、炎症性刺激により主に気道上皮のNO合成酵素(INOS)が誘導され、大量のNOが産生されています。
そのため呼気中NO濃度を測定することで好酸球性気道炎症の存在や程度を知ることができるとされています。
肺機能検査
検査は、鼻をクリップでつまんで、マウスピースをくわえ、思い切り、一気に息を吐き出す行為を繰り返します。
「肺年齢」や「呼吸器の病気」の有無とその重症度がわかります。肺活量が低い場合は、肺が固くなったり、呼吸筋が弱くなったりして、肺が十分に拡がらないため、肺の空気を入れる容量が少なくなっている可能性があります。
1秒率が低い場合は、気道が狭くなって息が吐きにくくなっている可能性があります。これによって得られるデータから、呼吸機能を調べます。
睡眠時無呼吸症候群検査
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中、10秒以上の無呼吸状態を何度も繰り返す病気です。Sleep Apnea Syndromeの頭文字を取って「SAS」と呼ばれることもあります。
医学的には、10秒以上気道の空気の流れが止まった状態を無呼吸とし、一晩(7時間の睡眠中)に無呼吸状態が30回以上、または1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群と言えます。パルキシオスメーターという動脈血酸素飽和度と脈拍数を測定するセンサーを指に装着し、睡眠中に計測するものになります。血液中酸素濃度を測ることによって、呼吸が正常で酸素が取り込まれているかどうかを確認します。
センサー部分を指に装着して眠るだけなので、圧迫感などの違和感もほぼありません。自宅で手軽に行うことができいつもの睡眠を妨げることなく、正確に測定することができます。
心電図
心臓の筋肉に流れる電流を体表面から記録する検査です。電流の流れ具合に異常がないかがわかります。
心臓の電気的な活動の様子をグラフの形に記録することで、不整脈があるか、心筋の血液循環が不良(狭心症)になっていないか、心筋が壊死(心筋梗塞)していないか、などがわかります。
また1分間に電気が発生する回数である心拍数も測定されます。
CAVI(血管脈波)
冠動脈が詰まることによる心臓や血管の病気の早期発見につながるのが、CAVI検査です。CAVIとは、心臓(Cardio)から足首(Ankle)までの動脈(Vascular)の硬さの指標(Index)の略で、動脈の硬さの指標です。
CAVIは、普段の血圧に関係なく、心臓から足首までの動脈の硬さなどを数値で評価することができます。
CAVIの測定をするときは、ベッドに仰向けに寝てもらい、両腕、両足首にカフを、胸元に心音マイクをつけ、血圧と、脈波を測定します。
超音波検査
体の表面に超音波プローブ(探触子:超音波の出る器械)をあて、体内の臓器からはね返ってくる超音波を画像として映し出します。検査の際はベッドに横になった姿勢で行います。
検査する臓器によって、あおむけや横向きになったり、腕を上げたりすることもあります。超音波が伝わりやすくなるように、体の表面に検査用のゼリーを塗ってから超音波プローブをあてます。基本的に検査の最中は同じ姿勢ですが、調べる部位によっては、息を止めたり体の向きを変えたりすることがあります。
超音波検査では、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、膀胱、卵巣、子宮、前立腺などの腹部にある臓器や、甲状腺や乳腺などさまざまな臓器にできたがんで検査することがあります。一方で、空気や骨、厚い脂肪などは超音波が通りにくいです。そのため、骨などに囲まれた部位や肺、脳にできたがんの多くは検査することができません。
骨密度検査
骨密度は、骨粗しょう症を判定するための代表的な指標です。
骨密度は若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%であるかで表されます。
当院では定量的超音波測定法で測定しています。
かかとの骨に超音波を当て、骨の強さを反映する測定方法です。診断には使われませんが、検診などで骨折リスクを簡単にスクリーニングする方法として普及しています。
社会福祉士(医療ソーシャルワーカー/MSW)連携・相談
当院には全国でも珍しく開業医で国家資格である社会福祉士の資格を有したMSWが常駐しています。
社会福祉士は病院、保健所などの保健医療機関で患者様やそのご家族らが抱える問題を解決するために様々な支援をするソーシャルワーカーの事です。
「もっとドクターに聞きたかったのに」「こんな不安があるんだけど?」「自分自身や家族の事で訪問診療を受けたいけどどうすればいいの?」等と言った皆さんのお悩みや不安やお困りごとに対して様々なサポートを行うのがMSWの役割の一つなんです。
ではMSWとはどんな人?
皆さんが大きな病院に行った際「医療連携室」「患者相談センター」等という案内板を目にしたことはありませんか?そこで働いているのがMSW(メディカルソーシャルワーカー、医療ソーシャルワーカー)です。
患者様やそのご家族が抱えている問題の相談業務に加え、関係機関との調整や連携などを行い、自立した生活や社会復帰を促します。
そして相談者(患者様ご家族)との信頼関係を築きながら問題を把握、整理・検討し解決に導きます。具体的には次の6つの役割があります。
- 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
患者様、ご家族が安心して療養できるよう、心理的、社会的問題のご相談に応じ、問題の解決に必要な援助を行います。育児や教育、就労に関わる不安や家族、人間関係の調整、また患者様の死によるご家族の精神的苦痛の軽減、生活の再設計への援助をします。
(相談例)
・病気の告知を受け、不安でどうしたらいいかわからない
・高齢者の在宅療養環境を整えてほしい - 受診・受療援助
患者様やご家族様に対し、受診や受療の援助を行います。患者様の状況に適した医療の受け方、病院、診療所等の情報提供を行ったり、必要に応じ診療に参考となる情報を収集し、医師や看護師へ提供をし、チーム医療が提供できるように務めます。
(相談例)
・主治医から病状の説明を受けたが、うまく聞き取れなかった、質問できなかった
・仕事が忙しく今日中に検査を受けたいので可能な医療機関を紹介してほしい。 - 退院援助
主治医をはじめ院内スタッフと連絡・調整を行いながら、退院時期、活用できる社会資源、介護ができる条件などのさまざまな状況を確認し、在宅復帰へ向けた支援を行います。患者の生活や傷病・障害から起こりうる問題を予測して退院・退所後の選択肢を説明、また相談に応じながら次のような支援を行います。
(相談例)
・退院後介護が必要になったので、介護サービスを利用したい。
・訪問診療を受けたいがどうしたらいいかわからない。 - 地域活動
患者様のニーズに合ったサービスが地域において提供されるよう、関係機関と連携しながら、地域の保健医療福祉システムづくりに貢献します。地域の患者会、家族会、ボランティア等の育成、支援をしたり、高齢者や精神障害の方が地域で安心して暮らしていけるよう地域の理解を求め、普及を進めます。
・大病院との病診連携やクリニックとの診診連携や紹介
・各福祉関係機関や行政との連携 - 社会復帰援助
退院後の社会復帰が円滑に進むように、患者様の職場や学校などと調整を行い、復職、復学を支援します。
(相談例)
・抗がん剤治療を継続しながらの職場復帰に不安がある
・社会復帰が円滑に進むよう、退院・退所後の心理的・社会的問題を解決するための支援 - 経済的問題の解決、調整援助
患者様が医療費、生活費に困っている場合に、福祉、保険等の諸制度を活用できるよう支援します。
(相談例)
・入院したが医療費が支払えるか心配
日本医療ソーシャルワーカー協会より抜粋
訪問診療
訪問診療とは、病院へ通院することが困難な患者様に対して、医師が定期的にご自宅等を訪問して診療を行うサービスです。
定期的な訪問とは別に、緊急時には365日、24時間体制で対応を行い、必要に応じて臨時往診や入院先の手配などを行います。
当院の訪問診療の特徴として
- 外来から看取りまで一貫して対応が可能
- 同じ医師とMSWがチームを組んで対応している
外来で受診された患者様がその後年齢を重ねられて通院が困難になられてもかかりつけであった院長とMSWが看取りまで患者様とそのご家族をサポートいたします。信頼関係ができている医師の訪問診療で安心してお過ごしいただけるのではないかと思います。
日常的な診察や治療、健康管理を行うことにより体調の悪化を未然に防ぐことも、訪問診療の重要な役割です。
また、訪問診療は患者様ご本人だけでなく、ご家族や介護者様の負担軽減にもなります。
体調に関わることは、何でもお気軽にご相談ください。
対象者
訪問診療の対象者は基本的に「1人での通院が困難な方」です。
基本的には、
- 家族付き添いでの通院介助が大変な方
- 認知症などでご自身での定期的な通院が難しい方
- 病気や障害で自宅療養中、寝たきりなどの方
- 自宅で人工呼吸器や胃ろうなどの処置を行っていて移動が困難な方
- 自宅での看取りを希望されている方
などとなります。
訪問診療の流れ
まずは気軽にご相談を!
まずは気軽に、ご本人、ご家族、担当ケアマネジャーなどから当診療所にご連絡ください。
当院では直接医師やMSWがお話を伺わせていただきます
要望をお聞かせください(事前面談)
当院では患者様かご家族様が受診していただいて医師やMSWと直接ご面談させていただきます
※自宅訪問でのご面談は要相談
申し込み手続きをさせていただきます(利用契約)
医療方針や診療方針にご納得いただけましたら、初回訪問時に契約書や同意書などにサインいただきます。
訪問開始!
訪問日程や主治医が決定したら医師や看護師が定期的に自宅を訪問し、診察や治療を行います。
定期診療以外にも緊急時の往診や入院が必要な際の手配など、地域の提携病院や訪問看護などと連携を取りながら診療を行っています。
診療方針
内科認定医として内科の一般診療、及び呼吸器専門医としての呼吸器科診療を行っております。
大学での約13年間、呼吸器・アレルギー疾患、特に肺気腫・気管支喘息・癌の診療・研究を してきた経験をいかし、呼吸器専門医として毎日診療しています。 喘息の治療は、発作や増悪を予防・コントロールし、良好な日常生活をおくれることを目標にします。
また、肺気腫の患者様への呼吸方法、日常生活での注意点などのご指導、ご案内をしております。
喘息のコントロールが得られない方、長期の咳・息苦しさなどでお困りの方はご相談ください。
喘息以外で咳や痰のでる病気もたくさんあります。他の呼吸器の病気の鑑別・治療も もちろん行っています。
専門的な医学情報や知識をわかりやすく説明し、治療の内容・選択については、患者さんと 相談しながら診療しています。
一度来院された患者さまは、責任と誠意をもってその後も対応させて頂きます。