内科医が解説‼血液事業学会から見る「献血」と「あなたの健康」

献血って遠い話?

​皆さん、「献血」と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
「誰かのためになる、尊いこと」「自分には関係ない」「少し怖い」…さまざまな思いがあるかもしれません。

​内科クリニックで毎日多くの患者さんと向き合っていると、「血液」が、私たちの健康の土台であり、「いのち」そのものを支えていることを痛感します。そして、その大切な血液を必要としている方々のために、献血という活動が欠かせません。

私達は10月29日に埼玉で行われました血液事業学会に出席し、様々な情報を得たり課題も見えてきました。そこで本日は、街の内科医という身近な立場から、そして血液事業学会が発信する専門的な視点も交えながら、献血が「特別なこと」ではなく、実は私たち全員の健康と安心に繋がる身近なテーマであることを分かりやすくお伝えします。

内科医が診る「血液」の役割

​内科クリニックでは、風邪や生活習慣病の診療の際に必ず血液検査を行います。この検査は、血液が持つ次の3つの重要な役割をチェックするためです。

​酸素運搬役(赤血球)

肺で取り込んだ酸素を全身の細胞に届けます。この働きが悪いと貧血になり、息切れや倦怠感が出ます。

防御・免疫役(白血球)

体内に侵入した細菌やウイルスと戦い、私たちの体を守ります。

止血役(血小板)

ケガをした時に、血液を固めて出血を止めます。
​もし、病気や大きなケガでこの血液成分の機能が失われたり、大量に不足したりすると、輸血が必要です。健康な人の献血がなければ、私たちの体は病気やケガと戦う力を失ってしまうのです。

​献血と血液事業学会の「今」

献血によって集められた血液が、患者さんの元へ届くまでには、非常に厳格なプロセスがあります。これを支えているのが、血液事業学会をはじめとする専門機関です。
​血液事業学会は、献血された血液がより安全に、より効果的に使われるための研究や、最新の輸血医療のガイドライン策定を行っています。


​献血血液の具体的な使われ方


​輸血用の血液製剤は、主に次のような治療で欠かせません。

​・手術・出産時の大量出血
​・白血病や悪性リンパ腫などの血液疾患
・​がん治療(化学療法)による一時的な血液成分の減少
​・事故や災害による大ケガの救命

​皆さんが献血してくださった一滴の血液は、これらの治療を受ける誰かの「命綱」となっているのです。内科医として、血液製剤の安定供給が、治療の継続にどれほど重要かを知っています。

​知ってほしい!献血の「必要性」と「安全性」


​日本の血液の「在庫」の現状


​「献血は足りているのでは?」と思われがちですが、日本では血液を必要とする方が増えている一方で、少子高齢化の影響で献血にご協力いただける若い世代の人口が減っています。血液は人工的に作ることができず、有効期限も短いため、常に安定した献血が必要です。特に若い方に献血いただけるよう赤十字社も色々なキャンペーンを行っています。また、64歳までに献血してくださった方の献血可能年齢は69歳まで伸び献血が可能となります。是非、赤十字社のホームページもご覧いただきご協力いただければと思います。

​内科医が保証する安全性


​「献血をすると健康に影響があるのでは?」という心配もあるかもしれません。ご安心ください。
​献血前の問診や検査では、内科的な基準に基づいて、献血者ご自身の健康が守られるよう慎重にチェックされます。献血によって一時的に失われた血液成分は、体内で速やかに回復する仕組みになっています。体調の良い時に適切な基準でご協力いただく限り、ご自身の健康を損なうことはありません。

​あなたにできること


​本日は、「献血」が、単なるボランティア活動ではなく、現代医療を支え、私たち自身の「健康と安心」を守るために欠かせないシステムの一部であることをお伝えしました。

​あなたにできることは、献血会場へ足を運ぶことだけではありません。
​まずは血液の知識を知ること(この記事を読んでいただいたことが一歩です!)
​献血できる方は、体調の良い時にご協力いただくこと
​献血の重要性を周りのご家族やご友人に伝えること

​これらの行動すべてが、誰かの未来を救う「いのちのバトン」を繋ぐことに繋がります。
​このブログを読んで下さった一般の方に献血の重要性が伝わり、お一人でも献血にご協力いただけることを願っています。

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