コロナ後遺症について

インフルエンザとの相違点:後遺症

非入院例:10~30%
入院症例:50~70%
最多年齢:36~50歳(非入院の軽症例)

今回は前回でお知らせした通り、コロナ後遺症についてお話させて頂きます。
まず、症状としては

等があります。
発症の最多年齢は36~50歳(非入院の軽症例)ワクチン接種者の割合は10~12%程度ですので未接種又は回数が少ない方の方が発症リスクが高くなるようです。
後遺症発生の原因としては、まだ未解明の部分もありますが、現在わかっている範囲としては以下のものがあります。

①ウイルスの持続感染

ウイルスは通常1週間程度で死滅しますが長い人だと2週間以上経過後も検出されたという報告もあります

②自己免疫反応

感染することにより自己免疫反応が異常をきたし、様々な自己免疫疾患の発症リスクが高まるという報告もあります。

COVID-19の罹患は自己免疫疾患の発症リスク

・世界の120超の医療機関に存在する、2億5000万人分の匿名化された電子カルテ情報を持つTriNex健康研究ネットワークのうち、世界の48施設が参加する米国研究グループのデータ(2800万人)を用いた研究
・2020年1月1日~2021年12月31日の間に、381万4479人の参加者が本研究に登録(COVID-19群:88万8463人、対照群:292万6016人)。傾向スコアマッチ後、COVID-19群では自己免疫疾患のリスクが高いことが示された

Chang R, et al. Risk of autoimmune diseases in patients with COVID-19:A retrospective cohort study.eClinicalMedicine 2023;56:101783

③細菌叢の多様性低下

これにより腸内細菌のバランスが崩れ、消化器官の症状を発症することが考えられます

④組織の障害

血管内の異常や脳幹の異常をきたしその結果体調の維持やコントロール調節がうまくいかず、体調不良が継続するということもあります。
又、高血圧リスクが上昇するという懸念もあります。
このようなリスクに対しては

1:ワクチン3回以上接種

2:早目の受診と適切な処方

をすることでリスクを下げることができます。当院は呼吸器専門ということもあり、コロナ罹患後に長引く咳の患者様が御来院され、これだけ沢山の方が長くつらい症状でお困りなんだと現場で実感します。ただの風邪による咳ではなくご自身が気が付かない間に、肺炎、喘息、気管支炎を発症しているケースも沢山見受けられます。当院に来院された時には症状がひどくなっている方もおられもっと早く受診していただければ患者様御自身が早く元気になっていただけたのに、と思う事もあります。
2月現在、インフル、コロナともに流行しています、症状がある場合は早目に専門医を受診いただくことをおすすめします。

次回はコロナ罹患後に帯状疱疹発症が増えている?についてお話しします。

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