新型コロナ感染後に帯状疱疹は発症しやすいのか?
今回は前回に御案内した通り、コロナ感染後に帯状疱疹を発症しやすくなるのか?についてお話しします。
結論からお伝えすると帯状疱疹の発症数は増えています、数年前に当時の厚労省コロナウイルス感染症対策分科会の岡部信彦先生の勉強会に参加した際、一人のドクターから「現場レベルではあるがコロナ罹患後に帯状疱疹を発症する人が多い印象を持つがどうでしょうか?」という質問がありました。
これに対して岡部先生は 「確かにそのようなお声をいただいているのは事実です。ですのでデーターを集めて今後先生方に御報告できるのではないかと思います」とのお話でした。あれから色々な データーが蓄積分析され様々な事がわかってきました。
まず前提として知っておいていただきたいことは帯状疱疹ウィルスは元々私達の体内に存在しこれが子供の時は水疱瘡として発症します。大人になるにつれ免疫力が高まるのでこの帯状疱疹ウィルスを免疫力が抑えています。
1.COVID-19の皮膚症状
1/17(水)の山梨大学医学部皮膚科学教室教授の川村龍吉先生のお話しによりますと
COVID-19の皮膚症状としては
- COVID-19患者における皮膚症状有症率は報告によって0.2~20.4%と幅があり、実際の頻度は不明も最近は約5~6%とする報告が多い
- 発熱の平均10日後から出現する
- 皮疹は全身症状の重症度とある程度の相関がある
2.COVID-19に関連する主な皮膚疾患
COVI0-19に関連する主な皮膚疾患としては
- 帯状疱疹
- ジベルバラ色糖疹
- 脱毛
等があります
帯状疱疹患者がコロナ禍で増えた理由
ではなぜ帯状疱疹患者がコロナ禍で増え たのでしょうか?それには次のような理由が 考えられます。
- 水疱瘡患者減少の影響
- 新型コロナ感染の影響
- ワクチン副反応の影響
- その他の影響
等です
- 現在、子供への水疱瘡のワクチン接種は定期化され、親への自然感染の機会が減少しています
- コロナ対策により、水疱瘡の患者さんが激減しているため一般の方においても自然に感染する機会が減っています。
- 若年層では無症状のコロナ患者さんも一定数いますが知らない間に免疫が低下しており、その為帯状疱疹を発症していることも考えられます。
- 上記でもお話ししたように帯状疱疹ウィルスは元々体内にいる為、コロナ感染やストレス等で免疫力が低下するとウィルスを抑えつける ことができず帯状疱疹を発症してしまう方が一定数いるようです。
上記のような背景も重なって帯状疱疹の患者さんが増えているのではないかと考えられます。帯状疱疹については以前コラムで詳しくお話しさせていただいていますので是非御一読下さい。
帯状疱疹を防ぐ、又は軽症ですませるには?
では発症を防ぐ、又は、感染しても軽症ですませるためにはどうすればよいか?
- バランスのよい食事
- 適度な運動
- 6時間~8時間の睡眠 (成人の場合)
- ワクチン接種
が大切です。1~3は患者さん御自身で行っていただくことが可能ですが「4.の帯状疱疹ワクチン接種」に関しては医療機関で接種して下さい。
当院では帯状疱疹専用のワクチンのみ対応しております。帯状疱疹は痛みを伴いつらい経験をなさっている患者さんも多いですので是非このコラムを参考になさって御自身のお身体を大切にお守り下さい。
次回のコラムでは花粉症や通年性アレルギー性鼻炎にお悩みの方に舌下免疫療法についてお話しします。
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